歯周病と糖尿病の深い関係:あなたの健康は「お口」から!

歯周病

はじめに:血糖値が安定しないのは、もしかして「お口のせい」かも?

こんにちは!神奈川県藤沢市、藤沢駅から歩いてすぐの藤沢歯科です。院長の雨宮啓です。

「健康には気を遣ってるのに、なぜか体調がすぐれない…」「血糖値がなかなか安定しないんだよな…」

そんなお悩み、ありませんか? 実は、その原因はあなたの**「お口の中」**にあるかもしれません。

近年、**歯周病と糖尿病は、お互いに深く影響し合う「共犯関係」にある」**ことが明らかになってきました。片方だけを治療しても、根本的な解決にはつながりにくい、切っても切り離せない関係なんです。

「え、歯周病と糖尿病って関係あるの?」そう驚かれた方もご安心ください。この記事では、藤沢歯科の専門医と認定歯科衛生士が、この深い関係について、皆さんになるべく分かりやすくお伝えしていきます。

この記事を読み終える頃には、きっとお口のケアと全身の健康がいかに密接に繋がっているか、実感していただけるはずです。皆さんの大切な歯と体の健康を守るため、今日からできる具体的なステップもご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。


1. 知ってる?歯周病と糖尿病、それぞれの病気のこと

まずは、歯周病と糖尿病がそれぞれどんな病気なのか、簡単にご説明しましょう。

1-1. 歯周病ってどんな病気?〜気づかないうちに進行する「国民病」〜

歯周病は、歯を支える歯茎や骨に炎症が起きる病気です。お口の中にいる歯周病菌が主な原因です。

  • こんな症状があったら要注意!
    • 歯茎が腫れる、赤くなる
    • 歯磨きすると血が出る
    • 口臭が気になる
    • 歯がグラグラする
  • 進行するとどうなるの?
    • 歯と歯茎の境目にある溝(歯周ポケット)がどんどん深くなります。
    • 歯を支えている骨が少しずつ溶けていきます。
    • 最終的には、歯が抜け落ちてしまうこともあります。

実は、日本人の成人の約8割が歯周病にかかっていると言われるほど、とても身近な病気なんです。初期のうちはあまり症状が出ないため、気づかないうちに進行しているケースがほとんど。だからこそ、定期的な歯科検診が何よりも大切なんです。

藤沢歯科では、「歯をできる限り残す」ことを治療の基本方針としています。歯周病の進み具合に合わせた治療と、病気が再発しないためのメンテナンスに力を入れていますよ。

1-2. 糖尿病ってどんな病気?〜生活習慣と深く関わる現代病〜

糖尿病は、血液中の糖分(血糖)の濃度が高い状態が長く続く病気です。血糖値を下げる「インスリン」というホルモンの働きが十分でないことで起こります。

  • 主な種類:
    • 1型糖尿病: インスリンがほとんど作られなくなるタイプです。
    • 2型糖尿病: 遺伝的な要素に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの生活習慣が原因で発症することが多いタイプです。日本人の糖尿病のほとんどがこの2型です。
  • こんな症状が出たら注意!
    • 喉が異常に渇く
    • トイレに行く回数が増える
    • 体重が急に減る
    • 疲れやすい
    • 目がかすむ
  • 怖い合併症も…
    • 治療しないで放っておくと、神経、目、腎臓に障害が出る「三大合併症」のほか、心筋梗塞や脳梗塞などの重い病気につながるリスクも高まります。

現代社会では、食生活の欧米化や運動不足が背景にあり、糖尿病はまさに生活習慣病の代表的な病気と言えます。


2. 驚きの事実!歯周病と糖尿病の「悪循環」とは

さて、ここからが本題です。一見、関係なさそうな「お口の病気」と「全身の病気」である歯周病と糖尿病が、なぜこれほどまでに深く関わり合っているのでしょうか?

それは、**「お互いに悪い影響を与え合ってしまう」**という、困った関係にあるからです。

2-1. 糖尿病が歯周病を悪化させるメカニズム

糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯周病になりやすく、また歯周病が進行しやすいことが分かっています。主な理由は次の3つです。

  1. 体の「免疫力」が落ちてしまうから: 糖尿病になると、体を守る免疫の力が全体的に弱まってしまいます。その結果、歯周病菌と戦う力が落ちてしまい、感染しやすくなるんです。
  2. 歯茎の「血の巡り」が悪くなるから: 糖尿病は全身の血管にダメージを与え、特に細い血管が傷つきやすくなります。歯茎の奥にある細い血管も例外ではありません。血管が傷つくと、歯茎に十分な栄養や酸素が届かなくなり、歯周病菌と戦う力が弱まってしまいます。
  3. 「血糖値が高い」と炎症が起きやすくなるから: 血糖値が高い状態が続くと、歯周病菌が出す毒素に対して、体が過剰に反応して炎症を起こしやすくなります。これにより、歯茎や歯を支えている骨がどんどん壊されてしまうんです。

実際に、重い歯周病の患者さんの約半分が糖尿病、または糖尿病予備軍であるという報告もあります。糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯周病の進行が2倍以上速いとも言われているんですよ。

2-2. 歯周病が糖尿病を悪化させるメカニズム

さらに深刻なのは、歯周病が糖尿病を悪化させる原因にもなり得るという点です。これは意外に思われるかもしれませんが、非常に重要なポイントです。

  1. 「炎症物質」が全身に広がるから: 歯周病が進行すると、歯茎で起こっている炎症によって「サイトカイン」という炎症性の物質が大量に作られます。このサイトカインが血管を通って全身に広がり、血糖値を下げるインスリンの働きを邪魔してしまうんです。
  2. インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が増すから: サイトカインの働きにより、体中の細胞がインスリンを取り込みにくくなる「インスリン抵抗性」が増大します。これにより、せっかくインスリンが出ても、血糖値を十分に下げられなくなり、糖尿病が悪化してしまうんです。
  3. 歯周病菌が直接影響することも: 一部の歯周病菌が血管の中に入り込み、全身を巡ることがあります。これらの菌が直接、インスリンの効きを悪くしたり、さらなる炎症を引き起こしたりする可能性も指摘されています。

つまり、歯周病がひどくなると、体の中に常に炎症の「火種」を抱えているような状態になり、それが血糖値をコントロールするのをとても難しくしてしまうんです。

藤沢歯科では、このようなメカニズムをよく理解した専門医と認定歯科衛生士が、患者様一人ひとりの全身の状態を考えながら、最適な治療計画を立てています。安心してご相談ください。


3. 歯周病と糖尿病、両方を改善するための「藤沢歯科の治療」

歯周病と糖尿病の悪循環を断ち切るためには、どちらか一方だけでなく、両方を同時に、そして継続的にケアしていくことがとても大切です。

3-1. 歯周病治療で糖尿病の血糖値が良くなるって本当?

嬉しいことに、歯周病をきちんと治療することで、糖尿病の血糖コントロールが改善されることが、多くの研究で分かっています。

  • HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が改善! 歯周病治療によって、血糖コントロールの目安となるHbA1cが、0.3〜0.5%程度改善するという報告があります。これは、糖尿病の薬を一つ追加するのと同じくらいの効果が期待できるとも言われているんですよ。
  • 体の炎症が減るから! 歯周病の原因菌や炎症物質が減ることで、全身の炎症が治まり、インスリンの効きが良くなるためです。

つまり、お口の中をきれいにすることは、糖尿病の治療にとっても非常に有効な手段なんです。

3-2. 藤沢歯科で行う歯周病治療〜「歯をできる限り残す」ための丁寧なケア〜

藤沢歯科では、「歯をできる限り残す」ことを一番に考え、患者様一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの歯周病治療を提供しています。

  1. しっかり検査して、正確な診断: まずは、レントゲン撮影や歯周ポケットの深さの測定、歯茎の出血の有無、歯のグラつき具合などを詳しく調べて、歯周病の進み具合を正確に診断します。必要に応じて、唾液検査や細菌検査も行い、さらに詳しい情報を得ます。
  2. 基本治療(歯垢・歯石の徹底除去):
    • 丁寧な歯磨き指導: 認定歯科衛生士が、患者様一人ひとりに合った正しい歯磨きの方法を、分かりやすく丁寧に指導します。毎日のご自宅でのケアが、何よりも大切になります。
    • スケーリング(歯石除去): 歯の表面や歯周ポケットにこびりついた歯垢や歯石を、専門の器具で徹底的に除去します。これは、歯周病治療の基本中の基本です。
    • SRP(ルートプレーニング): 歯周ポケットの奥深くにある歯の根の表面に付着した歯石や、細菌に感染した部分を取り除き、表面をツルツルに磨き上げます。これにより、細菌が再び付きにくくなります。
  3. 外科的治療(必要な場合のみ): 基本治療だけでは改善が難しい場合や、歯周病が非常に進行している場合には、歯周外科手術を行うこともあります。歯周ポケットを浅くしたり、失われた骨を再生させたりする治療法です。 藤沢歯科では、痛みに配慮した治療を心がけています。麻酔を適切に使い、患者様の負担を最小限に抑えていますので、ご安心ください。
  4. 治療後のメンテナンスと再発防止: 治療が終わってからが本当のスタートです。歯周病は一度治っても再発しやすい病気なので、治療後の定期的なプロのケアと、ご自宅でのセルフケアの継続が非常に重要になります。 当院では、患者様のお口の状態に合わせた定期検診の期間をご提案し、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療、そして予防に努めています。認定歯科衛生士が、歯磨き指導の再確認や、フッ素塗布、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)などを行い、皆さんの大切なお口の健康を全面的にサポートします。

3-3. 糖尿病治療と連携したアプローチ

藤沢歯科では、糖尿病の患者様の歯周病治療にあたり、かかりつけの内科医の先生との連携をとても大切にしています。

  • 情報共有: 必要に応じて、患者様のご同意をいただいた上で、内科医の先生と治療に関する情報を共有します。
  • 治療計画の調整: 糖尿病の状態を考慮し、歯科治療のタイミングや内容を調整します。例えば、インスリン注射のタイミングや血糖値の安定度によっては、治療を少し延期したり、より慎重に進めたりすることもあります。
  • 生活習慣のアドバイス: 歯科の視点から、糖尿病に良い影響を与えるような食生活や生活習慣のアドバイスも積極的に行います。

当院の院長、雨宮啓は、「専門医と認定歯科衛生士によるチーム医療」を推進しています。患者様お一人お一人の全身の健康を視野に入れた、きめ細やかな治療を提供していますので、どうぞご安心ください。


4. 今日からできる!歯周病と糖尿病を予防・改善するセルフケア

歯科医院でのプロのケアももちろん大切ですが、毎日のご自宅でのセルフケアも非常に重要です。

4-1. 歯周病予防のためのセルフケア

  1. 毎日の丁寧な歯磨きを習慣に: 1日2〜3回、歯ブラシを細かく動かし、歯と歯茎の境目を意識して丁寧に磨きましょう。当院の認定歯科衛生士が、あなたにぴったりの磨き方を指導しますよ!
  2. デンタルフロスや歯間ブラシも使って: 歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間や、深い歯周ポケットの歯垢もしっかりと除去しましょう。
  3. 洗口液も上手に活用: 殺菌成分の入った洗口液を、歯磨きの補助として使うのも効果的です。
  4. バランスの良い食事を心がけて: 糖分を摂りすぎると、歯周病菌のエサにもなってしまいます。栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
  5. 禁煙にチャレンジ: タバコは歯周病の最も大きな原因の一つです。できる限り禁煙に挑戦してみてください。

4-2. 糖尿病予防・改善のための生活習慣

  1. 食事に気を配る: 糖質や脂質の摂りすぎに注意し、野菜や食物繊維を積極的に摂りましょう。
  2. 体を動かす習慣を: ウォーキングなどの適度な有酸素運動を、無理のない範囲で毎日続けましょう。
  3. 適正体重を保つ: 肥満は糖尿病のリスクを高めます。自分の適正体重を維持することが大切です。
  4. ストレスと上手に付き合う: ストレスは血糖値に影響を与えることがあります。リラックスできる時間を作りましょう。
  5. 定期的な健康診断を忘れずに: 糖尿病を早期に見つけ、早期に治療するためにも、定期的に健康診断を受けましょう。

5. 患者様からのよくある質問Q&A

Q1. 糖尿病と診断されたら、必ず歯周病になりますか?

A1. 糖尿病と診断されたからといって、必ず歯周病になるわけではありません。ですが、歯周病になるリスクは高まりますので、これまで以上に予防に力を入れ、歯科医院での定期的なケアを続けていくことが非常に大切です。血糖コントロールと、お口のケアをしっかり両立させましょう。

Q2. 歯周病治療中に、血糖値が上がってしまうことはありますか?

A2. 治療内容や患者様の状態によっては、一時的に血糖値が変動することもあります。特に、歯を抜くなどの外科処置を行う場合は、事前にかかりつけの内科医と相談し、血糖値が安定しているかを確認することが重要です。藤沢歯科では、患者様の全身の状態を常に考慮しながら治療を進めますので、ご安心ください。

Q3. 歯周病は完全に治りますか?

A3. 歯周病は、一度なってしまうと完全に元の状態に戻すのは難しいとされています。しかし、適切な治療と継続的なメンテナンスによって、病気の進行を食い止め、健康な状態を長く維持することは十分に可能です。藤沢歯科では、「再発防止のサポート」にも力を入れており、患者様が長くご自身の歯で快適に過ごせるよう、徹底的にお手伝いいたします。

Q4. 痛みに弱いのですが、歯周病治療は痛いですか?

A4. 藤沢歯科では、「痛みに配慮した治療」を最も大切にしています。麻酔を適切に使ったり、患者様と相談しながら治療方法を進めたりすることで、できる限り痛みを抑える工夫をしています。治療に対する不安な点があれば、遠慮なくご相談くださいね。


おわりに:藤沢歯科があなたの健康をトータルサポートします!

歯周病と糖尿病は、単なるお口の病気、体の病気という枠を超え、お互いに影響し合う、非常に深い関係にあることがお分かりいただけたでしょうか。どちらか一方だけを治療するのではなく、両方を同時に、そして継続的にケアしていくことが、あなたの全身の健康を守る上で非常に重要なんです。

藤沢歯科では、

  • 専門医と認定歯科衛生士によるチーム医療
  • 「歯をできる限り残す」ことに注力した治療
  • 痛みに配慮した治療
  • 包括的なメンテナンスと再発防止のサポート

を強みとし、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療計画をご提案しています。

「もしかして私、歯周病かも…」「糖尿病だけど、歯周病のことが心配…」

そんな不安をお持ちの方は、ぜひ一度、藤沢歯科にご相談ください。

あなたの健康を守る第一歩は、お口のケアから。私たちが、あなたの健康的な毎日を全力でサポートさせていただきます。

ご予約は、お電話(0466-26-8541)または、当院ホームページ(https://fdic.jp/)からどうぞ。藤沢駅からすぐの場所にございますので、お気軽にお立ち寄りくださいね。

藤沢歯科 院長 雨宮 啓

執筆者:院長
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・博士(歯学)
・日本歯科麻酔学会認定医
・日本臨床歯周病学会認定医・指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・日本歯周病学会歯周病専門医
・CDAC代表

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