【歯科医師が解説】インプラントvs入れ歯、あなたに最適なのはどっち?

インプラント

「歯を失ってしまったけれど、インプラントと入れ歯、どちらを選べばいいんだろう…?」

歯を失った時、多くの方が抱える悩みですよね。それぞれの治療法にどんな特徴があるのか、どんなメリットやデメリットがあるのか、正直よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

はじめまして。神奈川県藤沢市にある「藤沢歯科」院長の雨宮 啓(あめみや けい)です。このブログでは、インプラント治療の専門家である私の視点から、インプラントと入れ歯の違いを分かりやすく解説していきます。

この記事を読めば、それぞれの治療法がどのようなものか、ご自身にとってどちらがより良い選択肢なのかを判断するヒントが得られるはずです。ぜひ最後までご覧ください。


インプラントと入れ歯の基本を理解しよう

まず、インプラントと入れ歯がどのような治療法なのか、その基本的な違いから見ていきましょう。

インプラント治療とは?

インプラント治療は、歯を失った部分の顎の骨に、チタン製の人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。

インプラントの構造

  • インプラント体(フィクスチャー): 歯根の代わりとなる部分。
  • アバットメント: インプラント体と人工歯を繋ぐ部分。
  • 上部構造(人工歯): 歯の形をした被せ物。

これらの3つのパーツで構成されています。インプラント体が顎の骨としっかりと結合するため、自分の歯のように強く噛むことができるのが大きな特徴です。

入れ歯(義歯)治療とは?

入れ歯治療は、失った歯を人工の歯で補う治療法です。残っている歯にクラスプ(金属のバネ)をかけて支える「部分入れ歯」と、全ての歯を失った場合に使用する「総入れ歯」があります。

入れ歯の構造

  • 人工歯: 歯の代わりとなる部分。
  • 床(しょう): 歯茎に接するピンク色の部分。
  • クラスプ(バネ): 周りの歯に引っ掛けて入れ歯を支える部分(部分入れ歯の場合)。

入れ歯は、取り外しが可能であること、治療期間が比較的短いことが特徴です。


インプラントと入れ歯を徹底比較!8つのポイント

ここからは、インプラントと入れ歯を具体的な8つのポイントで比較していきます。

1. 見た目の自然さ

  • インプラント 天然の歯とほとんど見分けがつかないほど自然な仕上がりになります。インプラントは歯茎から人工歯が生えているように見えるため、口元に自信が持てます。
  • 入れ歯 保険適用の入れ歯は、金属のバネが目立ったり、歯茎の色と違和感があったりすることがあります。自費診療の入れ歯は、目立ちにくい素材を選ぶことも可能ですが、インプラントほどの自然さを再現するのは難しいでしょう。

2. 噛む力(咀嚼力)

  • インプラント 顎の骨にしっかりと固定されるため、自分の歯と同じように、硬いものや粘り気のあるものも気にせず噛むことができます。噛む力は天然歯の約80〜90%まで回復すると言われています。
  • 入れ歯 歯茎の上に乗せるだけなので、噛む力が弱く、硬いものが噛みにくかったり、痛みを感じることがあります。噛む力は天然歯の約10〜20%程度と言われており、食事の際に不便を感じることが少なくありません。

3. 治療期間

  • インプラント インプラント体が顎の骨と結合するまでの期間が必要なため、治療完了までに数ヶ月かかるのが一般的です。ただし、近年は「即時荷重インプラント」など、短期間で治療が完了するケースもあります。
  • 入れ歯 型取りをしてから数回の調整で完成するため、比較的短期間で治療が完了します。急いで歯を入れたい場合に適しています。

4. 治療費用

  • インプラント: インプラント治療は保険適用外の自由診療のため、1本あたり数十万円の費用がかかります。インプラント体の種類や上部構造の素材によっても費用は異なります。
  • 入れ歯 保険適用の入れ歯であれば、費用を抑えることができます。ただし、保険診療では使える素材や設計に制限があります。自費診療の入れ歯は、費用は高くなりますが、より快適で見た目にも優れたものを作ることができます。

5. メンテナンス

  • インプラント インプラントは人工物なので虫歯にはなりませんが、歯周病と同じような「インプラント周囲炎」になるリスクがあります。日々の丁寧な歯磨きと、歯科医院での定期的なメンテナンスが非常に重要です。
  • 入れ歯 毎日取り外して専用のブラシで清掃する必要があります。清掃を怠ると、細菌が繁殖して口臭の原因になったり、残っている歯の虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。

6. 他の歯への影響

  • インプラント インプラントは独立した治療法なので、周りの健康な歯を削る必要がありません。また、噛む力が顎の骨に伝わることで、骨の吸収(痩せること)を防ぐ効果も期待できます。
  • 入れ歯 部分入れ歯の場合、周りの健康な歯にバネをかけるため、その歯に負担がかかり、将来的にその歯を失うリスクが高まることがあります。

7. 適用できる条件

  • インプラント 顎の骨の量が十分にあることが必須条件です。骨の量が不足している場合は「骨造成」という治療が必要になることがあります。
  • 入れ歯 ほとんどの場合で適用可能です。外科手術が難しい方や、持病をお持ちの方でも治療が受けやすいのがメリットです。

8. 取り外し

  • インプラント 一度埋入したら、基本的には取り外しはしません。自分の歯と同じように使うことができます。
  • 入れ歯 食事の後や寝る前に取り外して洗浄する必要があります。この手間が面倒だと感じる方もいらっしゃいます。

藤沢歯科が考える「患者様にとっての最適な選択」

インプラントと入れ歯、どちらを選ぶべきか迷っている方へ。私たち藤沢歯科では、患者様一人ひとりのライフスタイルや価値観、お口の状態を詳しくお伺いし、最適な治療法をご提案しています。

インプラントが向いている人

  • 自分の歯と同じように食事を楽しみたい
  • 見た目の美しさや自然さを追求したい
  • 入れ歯の着脱や手入れが煩わしいと感じる
  • 健康な歯を削りたくない
  • 費用よりも機能性や快適性を重視する

入れ歯が向いている人

  • 外科手術に抵抗がある、または持病で手術が難しい
  • 治療期間をできるだけ短くしたい
  • 費用を抑えたい
  • お口の手入れに自信がない

もちろん、これらは一般的な傾向であり、ご自身の状況によってはどちらの治療法も選択肢になり得ます。

藤沢歯科のインプラント治療へのこだわり

当院では、患者様に安心・安全なインプラント治療を提供するため、以下のことにこだわっています。

1. 豊富な経験を持つ専門医によるチーム医療 院長の雨宮 啓は、インプラント治療に関して豊富な経験と実績を持つ専門医です。また、知識と技術を兼ね備えた認定歯科衛生士が、治療後のメンテナンスまでしっかりとサポートします。

2. 安全で快適な治療環境 インプラント治療は外科手術を伴います。当院では、全身の状態をモニターで確認しながら治療を行うことはもちろん、ご希望に応じて静脈内鎮静法を導入し、リラックスした状態で治療を受けていただけます。

3. 多様なインプラントシステムの選択と対応 世界的に信頼性の高いインプラントシステムを複数取り扱っており、患者様のお口の状態に合わせて最適なものを選択することができます。

「インプラントと入れ歯、どちらがいいか決められない…」「自分の場合はどうなんだろう?」そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度、当院のカウンセリングをご利用ください。

当院では、患者様のお悩みやご希望を丁寧にお伺いし、お口の状態を正確に診断した上で、最適な治療プランをご提案します。無理にインプラント治療を勧めることはありませんので、ご安心ください。


まとめ

今回は、インプラントと入れ歯の違いについて、8つのポイントで比較解説しました。

インプラント入れ歯
見た目天然の歯と区別がつかないほど自然自費なら目立ちにくいが、保険は金属バネが目立つ場合も
噛む力自分の歯とほぼ同等天然歯の10〜20%程度
治療期間数ヶ月比較的短い
費用高い(自由診療)保険適用で安価に作製可能
手入れ日々の歯磨きと定期メンテナンス毎日の取り外しと清掃が必要
他の歯への影響健康な歯を削る必要がない周りの歯に負担がかかる場合がある
適用条件骨の量が十分であることなどほとんどの場合で可能
取り外ししない毎日する

インプラントは、費用はかかりますが、自分の歯と同じように噛める、見た目が美しい、他の歯に負担をかけないといった大きなメリットがあります。一方、入れ歯は、費用を抑えられる、短期間で治療できるといったメリットがあります。

どちらの治療法が合っているかは、一人ひとりの状況によって異なります。

「インプラントって本当に安全なの?」「私の骨の状態でもインプラントはできる?」など、どんな些細なことでも構いません。まずは一度、お気軽にご相談ください。

当院では、カウンセリングを実施しています。専門家である私たちが、あなたの悩みを解消し、より良い未来の選択肢をご提案させていただきます。

【医院情報】

  • 医院名: 藤沢歯科
  • 院長名: 雨宮 啓
  • 住所: 〒251-0055 神奈川県藤沢市南藤沢21-6-4F
  • 電話番号: 0466-26-8541
  • ホームページ: https://fdic.jp/

皆様のご来院を心よりお待ちしております。

執筆者:院長
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・博士(歯学)
・日本歯科麻酔学会認定医
・日本臨床歯周病学会認定医・指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・日本歯周病学会歯周病専門医
・CDAC代表

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